五ヶ井用水を歩く(12):釣橋県営揚水場・曇り川樋門

◇釣橋県営揚水場

五ヶ井用水が、二塚(神野町)で曇り川と合流し、加古川に突き当たるところに、釣橋県営揚水場(写真上)がある。曇り川は、ふだん雨が少ないが、大雨が続くと度々大洪水を引きおこし、大きな被害をだした。そのため、排水のために釣橋揚水場がつくられた。

この揚水場については、『大野史誌』(大野町内会)に詳しいので引用したい。「・・・度々の洪水で田畑の被害が大きくなり、洪水対策促進会を設けた。陳情の結果・・・一機毎秒七トンの揚水機五台の設置が決定した。五台のポンプで半分の水を大川へ放流し、後の半分は五ヶ井用水路へ放流することになる。ところが、かなり年数を経ているのにまだ三台しか設置されていない。・・・」

『大野史誌』は、洪水の時は十分な備えではないと記している。

◇曇り川樋門

釣橋県営揚水場のすぐ南に曇り川樋門(写真下)がある。この樋門についても『大野史誌』から引用したい。

「・・・この水門(曇り川樋門・写真下)は、大正に入り加古川河川改修によって若干下流に移された。加古川本流や曇り川増水の際と五ヶ井用水の調整役をなしている・・・」いずれの施設も洪水時、水量を調整するには十分とはいえない。そのため、現在の別府川をここまで延長する改修工事が進められている。

別府川の改修については、明日のブログで取り上げる。

目次に戻る 前ページへ 次ページへ