2025.11.5
表装自体は傷みが激しいですが本体は207年経過していますが比較的きれいな状態です。掛け軸から額装にし直して保存する方向で検討しています。
2025.10.6
住吉神社地下室に下の掛け軸が眠っていました。文化15年(1818)に儀右衛門さんが奉納したものです。書かれているのは明月来相照(めいげつきたってあいてらす)と読みます。これは中国唐代の詩人、王維(おうい)の「竹里館(ちくりかん)」という詩の一節です。
独り(ひとり)坐す(ざす) 幽篁(ゆうこう)の裏(うら)
弾琴(だんきん) 復(また)た長嘯(ちょうしょう)す
深林(しんりん) 人(ひと)知らず(しらず)
明月 来たって相照らす
たった独り静かな奥深い竹藪の中で坐り込み、琴を弾き、また長く声を引いて詩歌を吟じたりする。この楽しみは誰もわかってくれないけれど、明月が来て私を照らしてくれる。明月だけが私の心の消息を知ってくれるというわけです。即ち、禅の悟りに達した人が、静かな静かな自分の境涯を楽しむ消息は、誰にも語る事が出来るわけではなく、体験してこそ、初めて知り得るというわけです。




