中野(加古川市平岡町)に、寛政元年(1789)から現在まで200年以上も続いた「坪刈」(つぼがり)の記録が残されている。
「坪狩」というのは、農作物(主に稲)を収穫する前に一坪分だけ刈り取り、その収穫を計ることである。江戸時代には年貢高の決定や、減免のためにおこなわれた。近代になり小作料の決定、農業経営の改良などの参考とされた。
しかし、その坪狩りの記録が残されているケースはあまり多くない。中野村の記録(写真)は期間が長く、日本最長の稲作記録で、学術的にも貴重なものである。経済的な先進地である近畿の記録としては他に例がない。
また、坪狩の記録は稲の収量だけでなく、稲の品種、水利確保、害虫の駆除、台風や旱ばつの天候なども記録している。
中野村の坪狩について、詳しくは下記の参考文献を参照ください。
*『中野村、坪狩記録』(加古川市史編さん室)・ 『加古のながれ』(加古川市史編さん室)参照

