五ヶ井の村々
江戸時代、五ヶ井用水を利用する村(五ヶ井郷)は20ヶ村で、五ヶ井用水は1.1900石ほどの田畑を灌漑していた。この五ヶ井郷の外に、五ヶ井用水のあまり水を受ける村(垂り井郷:たりいごう)が7ヶ村、それに明暦元年(1655)に、五ヶ井用水の6分の1の水の配分を受ける新井用水の村々(新井郷)が24ヵ村あった。
どうして「五ヶ井用水」?五ヶ井用水は、五つの地域に水を供給している用水という意味で「五ヶ井用水」と呼ばれた。その地域とは、①北条之郷、②加古之庄、③岸南之庄、④長田之庄、それに⑤今福之庄の五つの地域である。それでは、次にその地域に含まれる村々をみておきたい。
① 北条之郷
大野村・大野新村・中津村・平野村・河原村・溝ノ口村・間形村・篠原村・寺家町
*大野新村と間形村は、明治22年合併して美乃利村となる。
② 加古之庄
北在家村・安田村・長田村・口里村・新野辺村
*長田村は加古之庄に含まれていた。
③ 岸南之庄
加古川村・木村・友沢村
*加古川村は、現在の加古川町本町
④ 長田之庄
粟津村・植田村・備後村
*植田村は、現在北在家に含まれる。
⑤ 今福之庄
今福村
これらの地域名、郷・庄は荘園の時代にさかのぼる古い名称である。なお、今福村は一村で五ヶ井郷である。今福村は、石清水八幡宮の荘園であったため、独立して一地域として扱れたのであろうと思われる。
なお、「垂り井郷」は、水足村・天王寺村・細田村・長砂村、小安村、稲屋村、養田村の各村である。
*天王寺村・細田村は、現在の野口町良野。小安村は現在、加古川町北在家に含まれる。

