31平岡町探訪:平岡・五社の宮

近在で、五社の宮といえば野口神社(加古川市野口町)のことを言う。野口神社は、五柱の主神を祭るため、そう呼ばれている。その五柱の神々は、速玉男命(はやたまおのみこと)・品陀別命(ほんだわけのみこと)・大山昨命(おおやまぐひのみこと)・須佐之男命(すさのおのみこと)・天伊佐々比古命(あめのいささひこのみこと)である。

秋祭りに、神輿をねる当番にあたるのは、水足・坂元・北野・北野新田(以上野口町)・新在家・西谷・高畑・土山(以上平岡町)・和田(稲美町)の11町内会である。

この五柱を祭る「五社の宮神社」が平岡町には外にもいくつかある。これらについては別に紹介したい。寺田池の南、兵庫大学の西にある五社の宮もその一つである。

『兵庫県神社誌』の野口神社の雑載の項に、次のような記載がある。

・・・大宮(野口神社のこと)より東約二十町、新在家字野辻(しんざいけあざのうつじ)五社の宮との間の道を「引社道(いんじゃみち)」と言い伝えたるは、土地開拓にあたり、祖神・祖人の往来し跡ならん・・・

付近の小字に「引社」「引社口」がある。これは、昔、土地開拓に当たった人々の行き来した道であると言う。開拓により新しい村はできた。そして、開拓に当たった氏子達は、出身地の氏神「五社の宮」をこの地に勧請(かんじょう)したのであろう。

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